2024/10/20
令和6年 10月号「年末調整の季節がやってきます…
コラム
1.売り手と買い手の双方から手数料を得ることの問題点
この数年来M&Aを仲介する業者が雨後の竹の子のように増えつつあり、コロナ禍による環境変化を受けその役割が重要になってきています。免許制度がなく誰でも参入できるため、決算書が読めないような業者もいるようです。「売りたい」と「買いたい」という会社をマッチングさせるだけ。たまたま接点があったある社長さんが言われるには、「電話でも売るような軽い調子でした」とのことでした。
河野太郎行革担当大臣(当時)は昨年12月18日のブログで、売り手と買い手の双方から手数料を取ってM&Aを仲介する業者について、「この場合、売り手は一回限り、つまり自分の企業を売却すればそれ以上売り物はありませんが、買い手はその後も企業を買い取る可能性があります。
仲介業者にとってみれば、一回限りのビジネスにしかならないような売り手に寄り添うよりも、今後もビジネスが期待できる買い手に寄り添うほうが得になります。
双方から手数料を取る仲介は、利益相反になる可能性があることを中小企業庁も指摘しています。」と述べています。
ただ、中小企業庁は今のところ具体的な対策を取っていないようです。
不動産の仲介取引では売り手と買い手の仲介で双方から手数料を取ることはありがちですが、不動産仲介の場合手数料率が法定されて上限規定があるのに対し、M&A仲介ではそのような制限がないことも不透明感をもたらしています。
(仲介業者とは別に、M&Aの助言を行うフィナンシャルアドバイザーの場合は、日本でも売り買いどちらか一方のみのアドバイザーとして助言をします。)
日経ビジネスでも最近、利益相反の問題についてM&A仲介業界大手の日本M&Aセンターの代表者にインタビューしていましたが、制度的な問題を否定し、良心的に行動しているから利益相反はない、というような回答で、業界内の自浄作用に期待することは難しいという印象でした。日経ビジネスによれば欧米では基本的にどちらか一方の代理を務めることしか認めず、双方から手数料を取ることは利益相反になるため禁止されているとのことです。
この分野の日本の制度には改善を要する部分がありそうです。
2.M&A取引の流れ
秘密保持契約の締結/基本合意の締結/デューデリジェンス(価値やリスクの査定)の実施/株式譲渡契約の締結/契約条項の義務履行という流れになりますが、この中で実務上は秘密保持が最初の難関とされます。M&A情報の流出が従業員や取引先、金融機関に流出することは売り手企業の信用を大きく棄損させ、M&Aの成立どころか会社存続に影響を及ぼします。社内で関わる人を
最小限にし固定電話を使わず携帯電話を使う、メールに特定企業の情報であることがわからないようにする、ファックスはすぐ受信できる以外は使用しないなど、入口で注意すべきことは多いようです。
基本合意では買収価格が記載されますが、デューデリジェンスの前であるため、この価格に法的拘束力はない点も勘違いしやすいところです。
デューデリジェンスは、中小企業であっても最小限のことはやるようです。特に資産の実在性、未払残業代や退職金債務などの大きな簿外債務がないか、税務申告上の問題などです。
(森 郁美)
緊急事態宣言が解除された先日のとある日、母・妹・娘の3世代で、六本木ヒルズで開催されているサンリオ展に足を運んできました。サンリオと言われても、特に男性の方はピンとこない方もいらっしゃると思いますが、キティちゃんを生み出した企業と言えばお分かりいただけるかと思います。
サンリオの前身となる事業の歴史から始まり、輩出してきた多くの人気キャラクターや商品の紹介などがその内容でした。サンリオが出始めた1970年代は母が、1990年から2000年代は私や妹が、そして現在はちょうど娘がサンリオに夢中になる年代で、各コーナーで「わあ、懐かしい」とか「これは知らない、私の世代ではない」など昔の記憶を呼び起こしたり、「今はこんな風になっているんだね」と驚いたりと、4人で盛り上がりながら展示会を満喫しました。
展示会が楽しかったのはもちろんのことですが、3世代が揃って一緒に楽しめるサンリオの凄さを同時に感じましたし、長きに渡ってみんなに愛されるものを世の中に出していくというのは本当に凄いことだと思いました。
この展示会、日時指定の予約制だったこともあり、密を避けながら鑑賞できたのも良かったです。十分なコロナ対策をしながら、また3世代で楽しめるお出かけを計画したいなと考えています。もし良いお出かけ先を知っていたら、是非教えてください。
(利根川 蘭)
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