2024/10/20
令和6年 10月号「年末調整の季節がやってきます…
コラム
この時期は毎年、税制改正が確定する時期で、令和4年度の税制改正のメニューも既に発表されておりますが、今回はその中から賃上げに関わる税額控除の制度についてお知らせします。
令和3年度税制改正では、人材確保等促進税制が創設され、以前からの所得拡大促進税制は大幅な見直しがなされています。
人材確保等促進税制は、令和3年4月から令和5年3月の間の開始事業年度において、新規雇用者給与額の対前年度増加の割合が2%以上増加の時は、その増加額の15%の税額を控除します。さらに教育訓練費の対前年度増加額が20%以上の時は、新規雇用者給与額の対前年度増加額の20%の税額を控除しますというものでした。
中小企業法人においては、税額控除率の上乗せ幅がより大きい所得拡大促進税制の判定を行い適用を検討すれば良いと考えます。
中小企業法人の所得拡大促進税制は、平成30年4月から令和5年3月の間の開始事業年度において、雇用者給与額の対前年度増加割合が1.5%以上であれば、その増加額の15%の税額を控除します。また、雇用者給与額の対前年増加割合が2.5%以上で、かつ、教育訓練費の対前年度増加割合が10%以上の時又は事業年度終了時までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その経営力向上が行われたその証明がなされた時は、雇用者給与額の対前年度増加額の25%の税額を控除するとされていました。
令和4年度の税制改正では、積極的な賃上げを促すための措置として、給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度のうち新規雇用者にかかる措置を改組しています。青色申告法人が令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間の開始各事業年度において、継続雇用者給与額の対前年度増加割合が3%以上であれば、雇用者給与額の対前年度増加額の15%の税額控除ができるとしています。
この場合において同増加割合が4%以上であれば、税額控除率に10%を加算し、さらに教育訓練費の額の対前年度増加割合が20%以上あれば、税額控除率に5%を加算するとしています。控除率は最大で30%になります。
中小企業法人の所得拡大促進税制は、1年延長して雇用者給与額の対前年増加割合が2.5%以上であれば、税額控除率に15%を加算し、教育訓練費の増加割合が10%以上である場合には税額控除率に10%を加算するとしています。控除率は最大で40%になります。
概要は上記のとおりですが、雇用者の範囲は国内雇用者に限られ役員等は除かれるなどより詳細な適用条件や税額控除額にも法人税額の20%上限の制約などがあり、適用に当たっては控除額にこだわりすぎずに、積極的な賃上げに応えて会社にも税額控除分を留保できるとの想いに寄り添い検討されてみてはいかがでしょうか。
(今野 拓治)
このあとがきを書いている今、さくらが見ごろのピークを迎えています。みなさんは「さくら」というと入学や新しい年度の始まりを思い浮かべますか。それとも卒業や旅立ち・別れを思い浮かべますか。縦に長い日本列島は、さくらの開花時期が地域によって異なるので、もしかしたらGWに咲く花として思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。私は入学を思い浮かべますし、子どもの入学式には満開のさくらの木の下で写真を撮りたいと思います。近年は入学式までさくらがもたないことも多く、2年前の子どもの入学式の時には、だいぶ葉が出ていたものの何とかさくらが残っている状態でした。この3月の下旬、子どもの卒業式がありました。さくらは8分咲きで、そのさくらと共に写真を撮りました。今回の卒業式は一般的な時期と比較するとわりと遅めの日程でしたので、さくらが咲いていましたが、今後気候変動の影響もあり、一般的な卒業の時期にさくらが満開になる時代がくるかもしれません。その時には私のさくらのイメージが入学から卒業に変わっているかもしれません。
どちらのイメージになったとしても、さくらが春の訪れを感じさせ、節目となるこの時期に抱く様々な想いを爽やかに包み込んでくれる花であることには変わりはないと思っています。
(利根川 蘭)
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