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2022.05.17
フロンティアレター(令和4年5月号)「これからの中小企業や小規模事業者の経理」

これからの中小企業や小規模事業者の経理

令和3年9月1日にデジタル庁が発足しました。

政府の方針として、社会全体のデジタル化を進め、暮らしを便利に変えてゆくとともに、誰一人取り残さない人に優しいデジタル化を目指してゆく社会の実現に向けて取り組む方針を示しています。

このデジタル庁発足の背景にはポストコロナに向けた経済構造の転換、好循環を実現するとともに、税体系全般の見直しを進め適正、公平な課税の実現により、適切な所得の把握のための環境整備、記帳水準の向上、税務手続の電子化の促進など、制度及び執行体制の両面から取組を強化する方針のようです。

このようにデジタル化の進涉は経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、会計ソフト等の活用による記帳水準の向上を推進するため電子帳簿等保存制度は抜本的に見直しされました。

今後、ほとんどの取引が電子取引となることは確実であり、経理の電子化も急速に進んでゆきます。

電子取引と電子帳簿等保存制度、電子申告、電子納付が密接不可分な関係となりました。

表題に掲げた中小企業や小規模事業者は抜本的に経理帳簿の変革をしなければならないと考えられる事です。

(電子帳簿保存法の改正内容)

国税関係帳簿については税務署長の承認を受ければ帳簿の備え付けと保存が認められていたのですが

この承認制度が廃止されたので帳簿の作成は、電子計算機を使用して作成した国税関係帳簿に係る電磁的記録の備え付け及び保存とすることができることとなりました。

改正前の電子帳簿等保存制度は、大企業では大部分の企業で利用されていますが中小企業や

小規模事業者ではごくわずかしか利用されていないのが現状です。

事業者の売上規模からみて1千万円以下でも約半数近くの事業者が電子の帳簿を作成しています。小規模事業者では、正規の簿記の原則に従った記帳を行っている割合は約3割にとどまっています。

今回の改正では①最低限の要件を満たす電子帳簿②優良な電子帳簿の二種類の保存制度が示されています。

①制度利用の進んでいない中小企業、小規模事業者が利用しやすい環境を整えた最低限の要件を満たす電子帳簿を新設して正規の簿記の原則による記帳を普及し事業者全体のペーパーレス化を進める観点から今回の改正は大きな意義があります。会計ソフトを導入すれば電子帳簿の保存要件は決して困難なものではありません。

②売上高1千万円以上の事業者の約9割の方が電子で帳簿を作成しているとすれば、制度利用によりペーパーレス化が進み、電子で全ての取引が完結するようになります。この改正が紙取引と電子取引が混在しないで完結するデジタルファーストの社会へと繋がる可能性も出てきます。

今後電子取引によるデーター保存が義務化される準備や、新たに電子帳簿保存制度の導入を検討していくために各事業者の経理業務の改革が求められる時代が訪れたと考えられます。

(茂木 清八)

あとがき

 日を追うごとに気温が上がり始め、太陽のあたたかな日差しを強く感じられる季節になってきました。

 今月は月初めに国民の祝日が多く含まれますが、中でもあたたかさを感じられるのは「こどもの日」でしょう。国民の祝日に関する法律によれば、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と決められました。1948年、昭和二十三年のことです。同日の「端午の節句」は古くは奈良時代から続く伝統行事で、もともとは病気や災いを避けるための行事だったようです。その行事に使われていた菖蒲が武士に関連することから、各地でだんだんと男子の行事になっていったという話があるそうです。

 「こどもの日」は、今では男子に限らずこどもたちみんなの健やかな成長を祝う日であることは広く知られていますが、こどものお祝いだけでなく「母に感謝する」という趣旨もあることはあまり知られてはいないのではないでしょうか。

 又、五月の第二日曜日は、アメリカから伝わった風習として「母の日」が記念日となり、母に感謝をする日として定着しています。もとはアメリカの一人の少女が、その母の死をきっかけに「生きている間にお母さんに感謝の気持ちを伝える機会を設けるべきだ」と働きかけたのが始まりとされています。日本で一般的になったのは「こどもの日」の制定からすぐ、1949年のことでした。

 「こどもの日」をきっかけに母を思い、「母の日」に感謝を捧げるという、この時期らしいあたたかく素敵な過ごし方を考えてみてはいかがでしょうか。

                                                (岡島 俊)

フロンティアレター(令和4年5月号)ニュースレターR4.5

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