2024/10/20
令和6年 10月号「年末調整の季節がやってきます…
コラム
東京商工リサーチが昨年11月に発表した2019年「後継者不在率」調査によると、中小企業
で後継者が決まっていない「後継者不在率」は56%となり、半数以上の企業に及ぶことがわかりま
した。
代表者が30歳未満の中小企業の「後継者不在率」が93%と最も多かったのは当然ですが、事
業承継が差し迫った課題になっているはずの60代以上の不在率も41%、さらに70代は29%、
80代でも24%となっており、代表者が高齢でも後継者が見つかっていない企業が相当の割合で存
在することがわかりました。
小売業59%、建設業55%、運輸業52%となっており、人手不足の影響を大きく受けている業
種で後継者難が目立つとされます。
「後継者不在」の会社に⾧期的な承継計画を尋ねたところ、「未定・検討中」が55%で、方向性
すら決まっていない企業が半数を超えています。
しかし、2017年版の中小企業白書によれば、後継者の選定から決定までにかかる時間は3年
以上かかったケースが多いとされ、さらに完了までに⾧期間を要することを考えれば、代表者が高齢にな
るほど時間的猶予は短くなってきます。
中小企業の間でも事業承継の手段としてM&Aを選択肢にあげるケースが増えつつあると言われてい
ますが、今回の商工リサーチの調査によれば、実際に「会社を売却」したのは0.2%、「外部から人材
招聘と資本受入れ」したのは0.1%にとどまったとのことです。
2018年の「休廃業・解散」企業数は過去最多を記録し、その中には後継者が見つからず、やむなく
休廃業した会社も少なくないと言われます。今回のコロナ禍でさらに状況は逼迫しています。
国とともに、自治体も事業承継問題の解決に向けて支援制度を充実させてきており、国の支援制
度よりも条件が明快で使い勝手がいいといわれています。
東京都:事業承継支援助成金(売り手向け)、神奈川県:経営資源引継・事業再編事業費
補助金(買い手向け)、横浜市:事業承継・M&A支援事業助成金(売り手向け)などがあげら
れます。まだ応募が少なく、予算が消化しきれなかったという自治体も、あるようです。
(森郁美)
満開の桜、そして続く暖かい日のおかげで、春を感じられるようなりました。春といえば別れの季
節・出会いの季節と言われます。社内でも別れがあり、新しく仲間になる方がいたりすると思います
が、それは必ずしも春ではなく、1年通していつでもあることかと思います。
その流れの中で、ご相談いただくことに「経理担当者が退職する(した)ので経理代行をお願い
したい。」ということがあります。経理業務は期限が決まっている業務も大変多いので、経理担当
者が辞めてしまったからと言って、止めることができる業務ではありません。
そこで皆さん困って、わたくし共のような税理士事務所/経理代行会社にご相談してくださるので
すが、ご相談いただいた時に、一番困ってしまうのが、「経理担当者が一人で、すべて任せしていた
ので、会社に内容を把握している者がいない。そしてその経理担当者は既に辞めてしまっている。」
というケースです。経理の業務内容は多岐にわたり、それぞれの会社で行っている内容にもかなり
幅があります。
そして、それらの業務を行うにあたり、専用のソフトを使用している場合も多くあります。社⾧様を筆
頭にどなたかでも業務内容をご存じであれば、わたくし共もスムーズにお手伝いに入ることができま
す。しかし、ご存じの方がどなたもいらっしゃらない場合、その内容の把握からしなければなりませんの
で、とても時間を要してしまいます。大事な従業員さんが辞められることは、会社としてはあまり考え
たくないとは思いますが、そのような時に備えて、在職中にマニュアルを作成しておいてもらったり、経
理担当者に任せっきりではなく、大枠だけでも良いので業務内容を共有しておいていただいたほう
が良いのではないかと思います。また、退職が決まった段階で、まだ在職しているうちにわたくし共に
お声がけいただけると、直接引継ぎをすることができます。
もしご自身の会社やお知り合いの方でお困りのことがありましたら、お気軽に各担当もしくは代表
へご相談いただければと思います。
(利根川蘭)
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