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コラム

2020.11.25
デジタルトランスフォーメーションの現在地

デジタルトランスフォーメーションの現在地

コロナショックを逆に生かして、これまでできなかった、岩盤のような慣行を打破し、新しい日本を作る。
第二の開国!とまで言われています。その武器として、デジタル革命、デジタルトランスフォーメーション、と言われ、政府も大々的に旗を振るということになっています。

一方で、お役所がらみの作業は相変わらずで、最近も驚くような経験をいたしました。
公共用地への活用や緑地の保全をするために市街地の中に農地を残し、生産緑地として固定資産税を低額に抑える仕組みがあります。こんなところに?と思うような場所に「生産緑地地区」と看板が立ち、よく手入れされた畑が広がっているのを見かけられたことがあると思います。

この農地は、固定資産税を格安にしてもらう代わりに、指定(1992年)から30年間営農(農業を営むこと)する約束になっています。
農業を担っている方が死亡などで継続できなくなると、市役所に農地の買取請求をします。
市が審査し、市では欲しくないという結論になると、買いたい農業者がいないか声をかけます。
そのうえで、だれも買い手が現れないと、その土地は自由に処分していいということになります。これを「行為制限の解除」と言います。

今回、頑張って農業を続けてきた方が亡くなられ、広大な農地が残されました。相続税は高額で、生産緑地を一部処分しなければなりません。

そこで「行為制限の解除」の手続きを始めました。
まず、生産緑地をちゃんと管理してきたという「生産緑地の主たる従事者証明願」を農業委員会に提出し、その証明書が出たら他の書類とともに添付して「買取申出書」を市の農地課に提出するという流れになっています。この二つの役所はJAの建物に間借りし一つの部屋で仕事をしています。

私が農業委員会で、「他の書類は出しておくので、証明書が発行されたら農地課に回してくれませんか」と言ったところ、「それはできません」ときっぱり断られてしまいました。JAのビルは不便なところにあり、往復に車で相当の時間がかかりますが、わざわざ、紙一枚を受け取って、それを隣の机に届けに行くことになりました。こういった末端の役所がインターネットで用を済ませられるようになるのはどの
くらいの時間がかかるのでしょうか?想像もつきません。

社会保険の手続きでも先日、ちょっと調べものをするため役所のウェブサイトを開きましたが、調べたい項目にどうしてもたどり着かず、結局年金事務所に電話して、電話に出た人に一緒にウェブサイトを見てもらい、どこにどういう項目で載っているのか教えてもらいました。

自力では思いつかないところに、それはありました。項目が使えるように構成されていないという問題、国税庁のウェブサイトも共通です。
お役所仕事に工夫が足りないために、官民ともむだな時間を費やしているのが現状です。

年末調整の電子化

2020年10月より年末調整手続きの電子化がスタートしました。
従業員の方に①控除証明書等を保険会社等より電子データで取得。②国税庁が配賦している申告書作成ソフトウェアをダウンロード、住所氏名等を入力。
③①で取得した電子データをインポート。これで作成された電子データで提出してもらいます。
マイナポータル連携によればこれらを一括処理することができます。しかし従業員の方のなかにはパソコンを持っていない等対応が難しい方もいらっしゃると思います。

また控除証明書の電子データでの発行も今年は一部の保険会社しか対応していません。
調べてみると各対応が追い付いていませんので今年の年末調整は従来通り紙ベース対応されるところが主となると思われます。
従業員の方からの電子データ提供を今年から受けることができるというときは、税務署へ申請が必要ですので担当者へご相談ください。 

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